難民認定申請中に警察に逮捕される理由のひとつとして、パスポートの名義と「難民認定申請受理票」記載の名前が異なる場合に逮捕されることがあると、以前、BRSAセミナーで熊澤さんがおっしゃっていた。
こんなことが起きる理由について少し説明してみたいと思う。
「難民認定申請受理票」とは、難民認定申請後に入管から渡されるA4半分の大きさの紙のことで、その人が申請をしたということを公的に証明する唯一の文書である。
申請者はこの受理票の携帯を義務づけられていて、警察は尋問時にこの受理票によって、その人が難民申請中であることを知るのだが、警察が調べるのはそれだけではない。必ずパスポートも調べる。
この受理票とパスポートの名前が一致すれば、警察は本人確認ができるのだが、ときおりそうではないことがある。その理由については後述するが、受理票とパスポートの名義が異なる場合、警察が「この人物は他人の受理票(あるいはパスポート)を持ち歩いているか、何らかの偽造に関わっている可能性がある」と疑うのは、無理からぬことだ。
そのようなわけで、あらぬ疑いをかけられたこの不運な難民申請者は、所轄の警察署に連行され、取り調べを受け、入管の収容所に送致されることとなる。どうして疑いが晴れた時点で釈放されないのか、など詳しいことについてはわからない。
ともあれ、その申請者は、過ごさなくてもよい収容生活を最低でも1〜2ヶ月ばかり過ごさなければならない仕儀となる。
受理票とパスポートの名前が違うばかりにこんな目にあうわけだが、この原因についてはまた次回ということで。
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