5月30日のディペーイン虐殺事件抗議行動における会長の演説原稿は次の通り(実際の演説とは細部において異なる)。
今日、ここにみなさんがお集まりになったのは、2003年5月30日起きた虐殺事件、ディペーイン事件の真相解明をビルマ政府に求めるためというのはもちろんです。
ですが、わたしはそれだけではない、と考えています。
ビルマでは軍事政権が生まれてから、あらゆる地域で、とくに非ビルマ民族が暮らす地域で、多くの悲しい殺害事件や、女性や子どもに対する暴力が行われてきました。そうした犯罪のいくつかは、さまざまなNGOにより報告されていますが、実際にはほとんどが真相は明らかになってはいません。
ここにお集まりになった方々の中にも、軍事政権により大事な家族を失ったという方がたくさんいるかと思います。そして、それらの死は今なお、政府によって何の説明もされず、残された者たちの心に傷となって残っているだけなのです。
そうしたつらい傷があるからこそ、みなさんはここに集まったのだと思います。
みなさんがディペーイン事件の真相を明らかにしてほしいと政府に求めるのは、ただ単に歴史を知りたいとか、知識として知りたいとかあたかも他人の出来事のように、この事件を考えているからではありません。ビルマ政府がこのディペイン事件の真相を明らかにすることは、みなさんにとって大切な人の死の真相が明らかにされることにも繋がる、そうした切実な願いがあるからこそ、みなさんはこの場に立っているのです。
つまり、ディペーイン事件の真相究明は同時に、ビルマ軍事政権のもとで起きたあらゆる不正な死の真相究明でなくてはならないのです。
そのためには、ビルマ政府はあらゆる人の命を尊重する政府とならなくてはななりません。人権と法律を守る公正な政府とならなければなりません。
ディペーイン事件にたいして今のビルマ政府が本当に真相を明らかにする努力をしない限り、ビルマは本当に安全な国になったとは言えないのです。
ありがとうございます。
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